広島県地域森林管理技術・技能審査認定協会とは
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広島県地域森林管理技術・技能審査認定協会とは
会長あいさつ
私は、この度「広島県地域森林管理技術・技能審査認定協会」(以下、「広島県地域審査協会」)の会長に御選任いただいた中重和郎です。

「森林管理技術・技能習得制度」の構築及びその普及と指導者層の拡充を図ることは、森づくり活動の安全な作業における体系的且つ段階的な技術・技能の向上の観点から大変意義深いことと考えています。なお、広島県地域審査協会の設立に色々と御尽力いただいた皆様に心から連帯と感謝の意を表します。
 
 さて、森林・林業及び森林(もり)づくりの作業の安全性は、プロ・ボランティアを問わず大変厳しい状況にあります。
林野庁が平成23年4月に林業安全コラムで発表したところによると、平成21年の林業の「年千人率」は,30.0で全産業平均の2.0と比べ極めて高く、15倍となっています。年千人率は、労働災害の発生率を表す指標ですが、1年間に労働者1,000人当りに発生する死傷者数(休業4日以上)を示します。

また、NPO法人森づくりフォーラム理事の久保田繁男氏が,2011年7月号の「森林技術」で述べたところによると、平成22年度のグリーンボランティア保険の事故件数は、45件(保険利用件数2,774件)、事故発生率1.6%ですが、保険金支払額が200万円を超える重大事故も2件起きており、決して看過できない状況です。

林業は野外の、しかも傾斜地の足場の悪い場所で、特に間伐や木材生産の現場では、立木や丸太といった重量物を扱い、チェンソーなどの刃物を操作することが発生率の高い主な要因です。災害の内容では、立木伐採中の事故が半数以上を占め、安易なかかり木処理や基本的な順守事項を守らず事故に繋がっています。

このため、我々は「安全は全てに優先する」ことを林業界・森林ボランティア界共通の最重要な理念として再認識し、事故の減少に向け確実で具体的な行動を起こしていく必要があります。林材業労働災害防止5ヵ年計画(H20~24)では、平成24年までに平成19年の死亡災害50人の2割減、40人以下にすることとされていますが、平成22年は59人でした。

「伐木造材のチェンソーワーク」を著わした石垣正喜・米津要氏は、「安全な伐木作業」を「作業者が,対象木を作業開始から終了まで、十分なコントロール下に置くこと」と位置付け、しっかりとした理論・技術をマスターし技能に磨きをかけるとともに自己管理技術を身に付け、リスクを判断し安全な作業を実行できる作業者によって成立し得る作業としています。

平成22年9月には、「第29回世界伐木チャンピオンシップ」(WLC)がクロアチアで開催され、アジアからは「チーム青森」が初参加しました。速さ・正確さ・安全性を競うもので、秒・mm単位の審査基準、安全装備・行動を徹底した細かなルール等の知見は、日本の森づくりに安全・正確・速さという新風を起し、自信と誇りに満ちたフォレスターを輩出させるようになるのではないでしょうか。

 私たちは、より良い森林を次世代に引き継げるよう、関係者一丸となって森林管理技術・技能習得制度の構築・普及と指導者層の拡充に努め、安全な森づくりに貢献する所存ですので,皆様方の御支援・御協力をお願いします。



                            広島県地域森林管理技術・技能審査認定協会
                                           会長   中重 和郎

広島県地域審査協会

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